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リクルートスーツ~何が求められるのか?~

代表の渋谷光弘です。今回は、弊社が半年間にわたる長期インターンシップ参加者の学生さんから「リクルートスーツは同じような色・デザインで個性的ではない」という話を聞いたので『リクルートスーツ』を取り上げます。インタビューさせていただいたのは、私がスーツ作成でお世話になっている森田智さん(http://sheets-studio.com/)

以前もスーツ作りに関してインタビューさせて頂いていますのでチェックしてみて!?

リクルートスーツの悩み

リクルートスーツは没個性なん?

殆どの人がリクルートスーツを着たことがあるんじゃないかなと思います。あるいは、面接時にスーツで臨んだりしたり。その時のスーツはネイビー、グレーが多かったのではないでしょうか?

私が就活した30年前もリクルートスーツはネイビー、グレーのシングルが圧倒的でした。そして、「没個性」「異様な風景」と雑誌に書かれたりしたことを思い出しました。実は、僕もスーツを購入する際に店のスタッフに相談すると、選考に進む業界を質問されたことを思い出しました。

今でも印象的な出来事を覚えています。それは、最終選考での役員面接が終わってエレベーターに乗るときに役員と一緒に乗ることになりエレベーターの中で質問されました。次のような内容でした。

役員:なんで君たちは、同じスーツなの?
私 :スーツを買う際に店のスタッフに相談して決めました。
役員:そうか。もっと好きなスーツ着ればいい。俺は、ダブルしか着たことないよ。
私 :。。。。

確かに、その役員はダブルの記憶だけがあります。というか、役員の質問の意図に答えていないトンチンカンな会話で後悔した記憶もありますw

次はビスポークテーラー 森田智さんからのアドバイス!
参考になればと思います。スーツの本場英国でスーツ作りを修行した経歴なので!

誰のために着るか

私:学生さんの中には、リクルートスーツが没個性と考えてる人が多いようで、スコミも異様な風景と報じた記事を読んだこともありますし、僕自身も没個性と当時は考えていてネガティブな考えだったように記憶しています。

森田さん:リクルートスーツは確かに皆似てますね。渋谷さんもそんな風に考えていたんですね。

私:そうですね。30年前は「面接の達人」がベストセラーでwそんな中で、アパレルに進もうかとも考えていたので、リクルートスーツにはダサい印象だけがあったのも事実です。

私:英国でスーツ作りを修行していた森田さんから見たらどんな風に写りますか?

森田さん:仕事や面接等でスーツを着る際にTPOを意識することはもちろんあると思います。プライベートではないこととや短時間での優先順位を考えると無難なところに落ち着くというのは、着る側というよりもそれ以上に社会から求められている形が今もあると感じます。

私:誰の目を意識しているか?ということでしょうか?

森田さん:何のために、というのはあるかと思います。難しく考えずに好きに着るのが一番!とはいつも思っているのですが、仕事やビジネスで着用する場合、自分一人ではない環境ですから、私であれば人との繋がりを意識することはありますね。相手にリスペクトを持ち、楽しみながら着ることで自ずと個性がありつつも調和のとれた姿になるのではないかなと思います。

私:確かに!経験からして都市銀行。地銀の方のスーツはネイビー、グレーです。私のサラリーマン時代もブルックスブラザーズがステイタスだった記憶があります。

ちなみに、仲良かった同期は「フェレ」「カルバンクライン」「バーバリー」と超個性的でしたw

個性的であること

ここでは、スーツを作る上での本質的な【個性的】につい聞いてみました。一見、個性的と言うと第三者から見て目立つと言うことだと認識してしまいます。例えば、袖のボタンホールを一つだけ目立つ色で誂えてもらうとか?

紳士の英国での解釈とは?

私:仕事用のスーツという設定の中で個性をどんな風に表現してるお客様がいますか?

森田さん:皆様それぞれのスタイルがありますね。「普通でいい」と仰るお客様でも、なんとなくで選ばれたポケットの角度やベントの深さなどの細かいディテールが積み重なって1着に仕上がると、そのお客様だけのスタイルとして現れますね。あとは服の内側の、解体しなければ見えない位置に私のサインを入れるというリクエストもありました。それは私とお客様しか知り得ない訳ですし、どこに何がというのは任せていただいた私しか見ることはできませんが、それもまたひとつの楽しみ方ではありますね。

私:個性とは人に見せるものではなく。自分の秘事のような自己完結な訳ですね。

いかがでしょうか?

個性的であると言う定義が変わりました。他者に認識されると言うよりも自分自身で密かに楽しむと言うことですね。

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この記事を書いた人
渋谷 光弘
Shibuya Mitsuhiro
代表取締役
著者:みっちゃん

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