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備前焼をご存知ですか?備前焼と岡山

代表の渋谷です。2022 年はどんな年にしますか?2021 年以上にハードな年になるという人もいるし、アメリカでは物価が上がり続けたり、 ドイツは再生エネルギーに転換しすぎて電気代が 1.5倍になったりと世界の動きから目を離せない状況ではあります。せっかく生きるのだから、毎日の中に『癒し』『美』『繋がり』を感じながら生きていきたいと思っています。
そんなとき、僕の生まれた町で備前焼作家さんが弊社のL P ガスを使ってもらってました。今回は、『岡山県らしい陶芸』である備前焼についてインタビューさせていただきました。

今回は備前焼作家の三好満さんにインタビューさせて頂きました。三好さんの生まれは島根県。組織で仕事するよりもこつこつ仕事する方が合っていた。そんな風に考えた選択肢の中に焼き物に興味が湧いて調べてみると愛知県瀬戸市に窯業訓練校を見つけてそこで學ことに。訓練校の先生が人間国宝である山本陶秀先生を紹介して頂き備前焼の道に入ったそうです。山本陶秀先生は、1903年岡山伊部に生まれ15歳で備前焼の道に入りスペイン王室、皇室に備前焼を献上するなど歴史に名を残す作家でした。詳しくはこちら

備前焼作家としての苦労

三好さんの下積み期間は10年。その中で色々と苦労はありましたが一番印象的なことは焼き上がるまでの下準備の長い行程です。備前焼は下準備が大変で非常に長い時間と労力が必要らしい。まず、土づくりから始まる。それは、粘土を掘ってきて乾燥させてハンマーで砕き、振るいにかけて不純物を取り除耐火度の高い土や低い土を混ぜ合わせることで作家独自の粘土ができるらしいです。逆に、薬を塗る焼き物は塗り薬の研究・調合が難しい。作家が個々に土混ぜ合わせて独自の粘土を作るので同じ地層の粘土を使っても作家が独自に全く違う焼物が出来上がると教えてくれました。詳しくはココから。

備前焼の味とは?

コントロール出来ないから面白い
仕上がりの焼け方をコントロールできないし、恐れてコントロール すると面白くない。無難に焼くということは面白い作品は出てこない。自然に任せると面白い。想像以上の意図していない焼物になる。ちなみに、焼具合・模様は『火』『煙』『灰』によって変わる。

備前焼の歴史

『火』『煙』『灰』によって一つ一つ違う。備前焼の歴史について調べました。『岡山県備前市で作られる陶器。良質の陶土で一点ずつ成形し乾燥させたのち、絵付けや釉薬を施さずそのまま焼くため、土味がよく表れる。平安時代、伊部の平野部の山裾にて、椀、皿、瓦などを焼きはじめたのが備前焼の起源だと言われています。 窯が築かれた当初は、須恵器の影響が色濃く残っており、白や灰色のやきものが多く焼かれていました。 鎌倉時代の中期には備前焼として成立し、徐々に赤褐色のやきものもつくられるようになっていきます。日本六古窯の一つに数えられ、千年の歴史を持つ。素朴で重厚 な作風、土味の持つあたたかさ、使い勝手の良さで知られるが、最大の特徴は窯 変(ようへん) 。焼成時の窯の中の状態によって、焼き物の色や表面が変化するため、同じものが二つと生まれない。そのため、「土と炎の芸術」と呼ばれる。』 詳しくはコチラ

生活の中の備前焼

骨壷ともして使われていた備前焼。水瓶として使われる様になり桃山時代はすり鉢 として多くの家庭で使われていたそうです。そして、三好さんは室町時代の作品が一番好きだと教えてくれました。

三好さんが提案する生活の中での備前焼

私が『どの様な場面で備前焼を使えばいいでしょうか?』とアドバイスを求めた時の熱量が一番高かったことが印象的です。三好さんは、直ぐに『それは料理で使ってもらうのが一番美しい。料理を盛り付けて備前焼が濡れると色が鮮やかになる。刺身、焼 物、煮物、汁椀。私の好きな酒器もかわいく美しい。毎日使うことで鮮やかになっていく。』そう言いながら料理に似合う備前焼を探しに行ってくれていました。その時の三好さんは、身体がスッと動いて色々と説明してくれました。そして、備前焼を焼く窯を見せてくれました。窯で焼く前の準備と焼いた後に作品を冷やして窯から出すまでの時間は40日はかかるらしいです。窯は薪(松の木)を燃やすので30日はその場を離れません。話を聞いていてこれは、過酷な肉体労働でもあります。窯の中で作品の下に敷き詰める陶器で出来たプレートは20キロ/枚ありそうでした。三好さんの年齢は73歳なので肉体的にも過酷です。
三好さんは『好きなだけじゃ続けられんのよ』


その言葉を聞いて人生とも似ているなあと感じました。備前焼をあなたの近くに置いてみて、お酒飲む時でも料理の時に使ってみて欲しいなあと思います。ちなみに、僕は、備前焼のビアカップでビールを頂いております❤

備前焼を毎日の仕様の中で「割ってしまう」のではないかという心配をしているかもなので聞いてみました。
三好さん:『強度は強いので絨毯の上に落とした程度では割れないので大丈夫』
いかがでしょうか?
見た目も土の表情が出ていて、触ってみるとザラザラゴツゴツ。作家の三好さんも備前焼と似ていて会った最初は言葉少なめでしたが備前焼のことを質問すればするほど熱量が上がってきました。
一番熱量が高くなったのは『岡山らしい派手さは無いが素朴ではあるが個性的で一つとして同じ表情はない備前焼。毎日付き合うことで味が出てきて鮮やかさが増していく。まるで、岡山県人の様ですねw 三好さんの工房では小売もしてくれるので連絡した後に尋ねてみてはいかがでしょうか?

最近は家で過ごす時間が増えたり、家での時間を充実させたりすることに関心がある人も 多いのではないでしょうか。そんな時、食事に備前焼を取り入れてみたり、花を生ける花瓶・一輪挿しも生活に潤いと癒しを感じる場をつくるかもです。

三好さんの連絡先です。
岡山県和気郡和気町小坂115−2
三好 満
電話・fax:0869−88−1452

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この記事を書いた人
渋谷 光弘
Shibuya Mitsuhiro
代表取締役
著者:みっちゃん

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