仕事で創りたいこと テーラードジャケットを通して 森田智さんへインタビュー
本日紹介するテーラー 森田さんの店舗URL
https://sheets-studio.com/works/
こんにちは!代表の渋谷です。 10月は色々なところに行く中で新しい出会いがあったり、日本人としてのアイデンティ ティに気付いたり。大きくシフトした経験と時間でした。そして、岡山の人に喜んでも らえる新規事業、地域の子供、親子にも楽しんでもらえる活動も始めて行くべく用意し ていますので♪また、お知らせできる時期になったらお知らせしたいと思います。
生まれて初めての薬膳味噌作りにも参加しました。まあ、、ほとんど先生が作ってくれ ていましたがwそれ以来、味噌に話しかけて発酵するのを待っています^ ^
?先生に作り方を聞くの図
?ライトの位置調整の図
?薬膳料理の準備を見守るの図w
新しく出会ったテーラーを紹介したいと思います。今回のブログの主役は、若き女性 テーラー森田 智さん。 日本では親父の世代(60歳以上)は、スーツのことを「背広」と表現していました。語 源は6つ説がありまして、そのうちの一つはスーツの本場英国サビルロウが訛ったと言 われています。
そのサビルロウで修行した女性テーラーです。学生の頃〜サビルロウ時代の詳しくは、 ブログ末に添付しておきますので参考に。英語が話せないにも関わらず渡英して修業す るあたりワクワクするでしょ♪
今回は、店を持ってから現在で感じていることを価値観を中心に話してくれました。
テーラーの仕事は何を意味するのでしょう?
森田さん:人との関わり。自分と向き合う時間。仕事を通じて自分と向き合うときに大切にしていることは、「上向きな気持ちでい ること」です。 鬱々と縫っているとそれが服(作品)に出てしまう。でもそういった気持ちや性格 が現れることが面白いからテーラーをやっています。
これは学生時代(文化服装学院)の時に先生からの一言が影響してると 教えてくれました。「先生がテーラーで悲しいことがあった時期に縫っていたとき に先輩から『悲しいものが出来上がっているなあ』と言われたから気をつけてと言 われて以来、気をつけている」 毎日の中で良い気分じゃない時も「よくなる」と思って縫っている。そして、言い 換えると服の仕上がりも着るお客さんも良い気分になると思って縫っているそうで す。
今までで仕事で一番苦労したことは?
森田さん:縫いすぎて手が止まった時があったこと。それまでは衝動的に縫い続け てきました。でもその時は、ふと縫えないと思った。縫えなくなった原因は「肉体 疲労」なのか「仕事をしていて疑問を感じたこと」なのか「理由はわかっていない けど突然「縫えない」と思ってそこから少し止まった時期があって。それでも縫う しかないと思っていたので縫うんですけど、気持ちがついてこない時期は苦しかっ たですね。
その仕事で苦労したことは振り返ると何につながっていると思えますか
森田さん:今振り返ってみると、突然縫えないと思った時期は、縫う意味とか自分 への向き合い方とか変化していく時期だったのかなと思う。縫い始めた時と100着 縫った後では変化するものもあると思う。そんなタイミングだったんだろうと思 う。
森田さんは、仕事を通じて世の中に何を創りたいのでしょう?
森田さん:仕事(服を縫うこと)を通じて、楽しみを共有したい。知ることは楽し いことじゃないですか?スーツも最初は似たような形に見えてよくわからないとこ ろがあるかもしれませんが、会話の中で「あっ!こういうのもあるんだ、こう言う 選択肢もあるんだ」と知っていくと楽しくなっていく。 はじめはざっくりした形で認識していたものに、次第にディテールに目を向けるよ うになって、更には糸の引き具合なども見るようになる。そうするともう一度はじ めのように引いて見た時に感じ取るものも変わってくる。知ると言うことは楽しみ を見つけることだと思います。 私もお客様との会話の中で服に限らず知ることが沢山あるので、楽しみが増えてい ると言う感覚があります。
それで世の中が突然大きく変わるとは思っていないです。ただ世の中は大きく変わ らないかもしれないけど、個人の幸せやちょっとした楽しみはそこに繋がるので。 そういった日常の楽しみに役立てればいいなと思っています。
私は、「知ることは楽しいことじゃないですか?」と目をキラキラさせて 話してくれる森田さんを見て知的好奇心が旺盛なんだなあと感じました。だから、 テーラーとして活躍できるんだろうなと。フルオーダーでお願いする顧客は、既製 品では叶えられないイメージとデザインを持ってテーラードジャケット、テーラー ドスーツ作成を依頼します。おそらく、顧客が増えれば増えるほど未経験なリクエ ストと出会いカタチにすることを要求されるでしょう。そして、そのときに経験を 通じて「知る」わけです。それが苦痛ではなく、楽しいと言い切れるってカッコい いと思いました。(森田さんには言っていませんがw)
森田さんの服を着ることでハッピーな人が増えていくとどんな未来が創れそう?
森田さん:お仕立てさせていただいた服がいい気分のきっかけになることができ て、そういったすこしいい気分の人が増えたらその人も周りの人も私も幸せです ね。 あと、日常的に使うものが出来るまでの過程での会話や思い入れなどがあると自然 と物を大切に選んで扱うと思うんです。
日常生活で『ものには限りがある』と感じるのですが、それは資材だったり出来るまでの工程でかかる環境への負担だったり、いくらでもかけられるわけではない。ものでなくても、負荷をかけて生産する方法もそうです。どんなに安価な服でも誰かが縫っている。そういった現場やものに未来があるのかを意識することがあります。
常に背景を想像することが難しくても、知ることでより愛着をもって大切にする。そういったことが自然と全てにいい影響をもって繋がることはあると思います。
作り手側の環境でいうと、安い賃金でずっと縫っていると言うのは海外のアパレル 工場でもありますが、日本のテーラーでもあるんです。 職人が育たない。生活を考えると安い賃金では続けたくても続けられない、という 人を何人も見てきました。アルバイトをしながら、テーラーとして日々細かい作業 をする。それが続くと肉体的にも無理がある。環境的に続けられるものを作らない といけないと感じます。
私たちは今後も続く環境を職人の育成も含めて取り組む必要がありますね。
今までの風習?
森田さん:私が大切にしているのは、他の職人さんを大切にすると言うこと。渡す 仕事はなるべく大きく渡すように、リスペクトをもってお願いするよう心がけてい ます。
仕事を大きく?それどう言う意味?
森田さん:仕事を依頼するときに叩かないよう(安く請け負わせないように)にし ています。そうしないと、上がるものモノも良くないですし、先々続かないと思っ ています。業界の現状に対してはちょっとした怒りも入ってるかもw
森田さんは、素直に自分の気持ちを表現してくれます。そして、今までの 経験の中で感じたこと。今後の業界のこと。職人としてお互いが尊敬し合い環境を 育んでいく必要があることを教えてくれました。この時点での視点は、自分の利益
よりも大きな存在。それは未来かもしれないし、それが使命なんだろうなと思いま した。森田さんは、「使命」と一言も言っていません。むしろ、インタビューをし ていてたどり着いた結論だったように思います。ちなみに、人の意識構造を図で添 付しておきます。 「ニューロロジカルレベル」といいます。 深く知りたい人は 検索してみてね♫
これからテーラードジャケットを創りたい人へメッセージください
森田さん:テーラーだから敷居が高いと言われることもあるんですが、気軽に相談 してください。ちょっとした楽しみを見つけに来てください。写真で判断していた だくのもいいですけど、実際に来てみて生地の手触りだったり全体の雰囲気を感じ ていただく方が面白みがあると思うんです。
これからテーラードジャケット・スーツを考えてる方。ちなみにフルオー ダー、パターンオーダーもあります。どっちでも選べれます。詳しくは、冒頭の URLにありますので調べてみてね。ちなみに、コンタクトですがメールのみですw 。森田さんは、電話番号が存在しないことは、あまり意識していないようだったの で。。。まいっかw
30代以下ならメール ?だけで十分だとも言えるかもです。
相談してみてはいかがでしょうか。
学生時代〜英国までのインタビューも 参考になさってください?
https://muuseo.com/square/articles/1257