ヒートショックと対策方法①
ヒートショックって怖いと聞いたんですけど、対策方法ってどんな方法があるんですか?このようなご相談を頂いたので、正直なお話をさせて頂きます。
こんにちは渋谷石油のプロパンガス部門の渋谷です。
プロパンガスを通し
“より快適、安全な暮らしを”のお手伝い
今日もここに向けて全力で仕事をしたいと思います。
先日、お客様からこのような相談を頂ました
具体的にお聞きすると
- ヒートショックってどうして起こるの?
- ヒートショックってどんな場所で起こるの?
- ヒートショック対策にはどのような方法があるの?
長文になるため、今回は赤字の2点について詳しく説明していきます。
残りの1点は次回のブログにて書かせていただきます。
ヒートショック対策の基本①どうして起こるのか?を知る。
ある研究では、ヒートショックが原因で家庭のお風呂で溺死する人は年間3,000~4,000人いると推計されます。1年間で約17,000人の人がヒートショックに関連した入浴中急死をしました、その死亡者数は交通事故による死亡者数(4611人)より倍以上ですね。
そのうち14,000人ぐらいが高齢者の方だと言われています。
ヒートショックは温度の急激な変化で血圧が上下に大きく変動する等によって起こる健康被害です。失神したり、心筋梗塞や不整脈、脳梗塞を起こす事があり、特に冬場に多く見られるのが特徴です。
ヒートショックは体全体が露出する入浴時に多く発生します。
冬は住宅内においても暖房をしていない脱衣室や浴室では、室温が10度以下になることもあり、寒い脱衣室で衣服を脱ぐと、急激に体表面全体の温度が10度程度下がります。すると体は寒冷刺激によって血圧が急激に上がります。この血圧の急上昇が、心筋梗塞、脳卒中を起こす原因の一つと言われています。
さらに、一度急上昇した血圧は、浴槽の暖かい湯につかることによる血管の拡張で、反対に急激に低下してしまいます。この急激な血圧低下が失神を起こす原因の一つとなります。浴槽内で失神する事により、溺れて亡くなるケースは入浴中急死の典型例と言えます。
このように冬場の入浴に伴う一連の行為は、血圧をジェットコースターのように大きく変動させる要因となり、ヒートショックの危険を伴います。
外気温が低くなる1月は、入浴中に心肺機能停止となる人が、最も少ない8月のおよそ11倍でありこのように増加する原因は、ヒートショックによるものと考えられています。
入浴中の心肺機能停止者数東日本23道府県379消防本部
東京都健康長寿医療センター研究所調査資料より
ヒートショック対策の基本②どこで起こるのか?
ヒートショックが一番発生しやすいのは、脱衣所から浴槽に入ったときと言われています。また、暖かい部屋から出て寒いトイレに入ることで、トイレなどでも発生すると言われています。
更に地域別で見てみると、日本で一番ヒートショックが多いのは瀬戸内海沿いの地域です。
上記のグラフ「都道府県別にみた高齢者1万人あたりCPA(入浴中心肺停止状態)件数(件)」というデータによると、件数が最も少ないのは沖縄県で続いて北海道となっています。同じく寒いイメージのある青森県は4位です。
逆に発生件数が多いのは香川県、兵庫県、滋賀県と比較的温暖な地域なんです。
ヒートショックの原因は単純に寒さではなく、室内の温度差が大きな原因なんです。
寒い地域では住宅全体を断熱するのが一般的なため住宅内の温度差が少なくするような建て方となっていますが、温暖な地域での古い一戸建て住宅はその考え方で建てられていません。温暖な地域でも、脱衣室や浴室を中心に寒冷になる季節に対応した住宅内の温熱環境を工夫する必要があります。
ヒートショック対策 まとめ
浴室と脱衣室の温度差が大きな原因で、この温度差を無くすかがカギです。
私が意外だったのは、中国、四国地域の発生率が高い事と、沖縄県でもヒートショックは起こるという事が意外でした。
次回はヒートショックの対策方法についてお話させて頂きます。